株式会社椛島鍛圧の歴史は常に私の人生と共にありました。私は、父椛島夘吉が農機具刃物工場として椛島鉄工所を創業した昭和２４年に生まれ、農機具に留まらず様々な鉄加工の依頼を受けたらどんなものでも製品にしようと取り組む父の背中を見て育ちました。

当時の高度経済成長に伴い、私が中学生の頃に初めての油圧プレスが工場に据えられました。現在は４００ｔ、５００ｔの油圧プレスを使用しての製造活動になりましたが、一機目二機目の油圧プレスは３００ｔ。それが４００ｔに入れ替わるまでの間に、私はこの３００ｔ達を相棒として毎日毎日鍛造技術を磨きました。叩いた（鍛造した）物を見て、触って、また叩いて、とひたすら鍛造と向きあう中で、製品が出来上がった時の喜び、お客様に納品できた時の喜び、それを褒めていただいて、鍛造を通じて人と繋がる喜びを味わわせていただきました。

世の中の移り変わりに合わせて、半世紀を超えて現在に至るまで弊社にも様々な転機がありましたが、弊社の技術が大きく舵を切ったのは、1982年であったといえます。日本の半導体が世界シェアの約半分であった頃、まさに日本半導体の全盛期、九州真空冶金株式会社（現:株式会社アルバック）より、半導体副材料であるアルミニウムをプレス機を使って鍛造加工したい、と研究開発協力の依頼を受けました。鍛造というと使用設備の主流はハンマーでしたが、油圧プレスを主に使用していた弊社にお声かけをいただき、当時の技術の方々の様々な要望に応える形で、試作を繰り返していきました。

このときに生まれた鍛造技術が弊社独自の技術の土台となり、４０年の間に加工工程は少しずつ改良を繰り返していますが、今なお半導体産業の一助として世界を支えていると自負しています。当時の技術者の方々との一蓮托生とも言える試行錯誤の日々は私が職人として生きてきた証であり、弊社の製品はその結晶です。現在は後進達が技術を磨き、切磋琢磨しながら弊社の鍛造を承継していってくれています。椛島鍛圧は、これからも日本を支えるものづくりの一端を担い、半導体も含め様々な分野で社会に貢献していきます。

経営理念

• 長年の経験に基づく技を活かすとともに、さらなる技術向上を目指します。
• 製品が世界中の人々の暮らしに役立つことを喜びとします。
• 社会的責任を全うすべく、環境問題に意識を持ち、資源の循環を心掛けます。
• お客様の要望に応え常に公正に考えます。
• 働く人のために、安全で、健康に配慮された職場環境を守ります。

品質方針

• ５S活動を通じて、適正な価格設定と安定供給を実現します。
• 品質目標を設定し、実績を基にした改善活動を継続的に行います。

環境方針

• 環境負荷の少ない事業活動を行うために、目標を設定し保全に努めます。